680条の2 脱退した組合員の責任等

条文

脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
2 脱退した組合員は、前項に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。

解説

改正趣旨

通説的理解の明文化である。

実務解説

債務を負担している組合を組合員が脱退する場合,債権者がその組合員を免責してくれなければ,組合は担保をたてなければならないとする規定である。この規定が妥当な場合もあるが,そのまま適用すると組合にとって酷になることも多いと思われるので検討する。

事例1

組合員Aが組合の業務上第三者に損害を与え,組合が損害賠償責任を負担したとする。その責任により当該組合員を除名により脱退させたとする(679条,680条)。その場合,本条によれば,組合は債権者に対し組合員Aの免責を得させるか,担保を立てなければならないこととなる。逆に言えば,そのような覚悟がなければ除名できないことになる。この結論は不合理である。
このような場合,組合員Aが弁済したとしても組合に対して求償権を有することはなく,むしろ組合が債務を弁済した場合に組合員Aに求償する関係になることから,本条の趣旨は該当せず,本条の適用はないものと解される。

事例2

存続期間の定めのない組合において,組合員Bがある組合の事業を主導し,そのために多額の債務を負担したが,結果としてその事業は失敗に終わった。その後,組合の運営方針を巡って対立が生じ,組合員Bは678条1項により脱退した。この場合,本条によれば,組合は,Bが主導した組合債務について,Bを免責させるか,担保を立てざるを得なくなる。この結論も妥当とは思えない。
 組合にとって担保を立てることが容易な事情がない限りは,678条1項但し書きの「組合に不利な時期」の脱退として,組合が債務関係の処理が可能になるまでは脱退の制限ができると解される。

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