675条 組合の債権者の権利の行使

条文

組合の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができる。
2 組合の債権者は、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合又は等しい割合でその権利を行使することができる。ただし、組合の債権者がその債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていたときは、その割合による。

解説

立法趣旨

1項は,組合個々人の固有財産とは別に組合自身の財産があることを想定した上で,その組合財産が組合債務の引当になることを明文化したものである。
2項は1項の組合財産以外に組合員個々人の固有財産も組合債務の引当てになること,及びその引当ての割合について規定する。

実務指針

組合財産といっても,組合には法人格はなく不動産等は登記することはできないし,現状の銀行実務からすると組合名義での預金口座開設も困難なことが多く,明確に組合財産といえるものは少ないと思える。組合員に対する債権(出資の履行請求件・損害賠償請求権)や組合が営業妨害等の被害を受けた場合の不法行為債権といった債権がメインとなろう。

また,組合財産かどうかの判別も困難なことが多い。たとえば,複数名の弁護士が組合契約により共同の法律事務所を運営していて,◯法律事務所弁護士△名義の預金口座を開設した場合,これが組合財産であるか,弁護士の個人の財産であるか口座名義からだけでは判別は困難である。かといって利用の実態をみて組合財産であるか,弁護士の個人財産かを判断するというのも予測可能性を害するので必ずしも妥当な認定方法とは言い切れない。
さらに,仮に組合財産があることが明確だとしても,組合に当事者適格がある場合は少なく債務名義を得ることができる場合は少ないといえる。

以上より,組合財産の存在が条文上明確になったとしても,実際の利用は困難な部分が多いと思われる。それゆえ,組合と取引するとしても,あくまで組合財産はあてにせず保証等によってはじめから個人財産の引当てをすることが肝要である。本条によって組合財産を考えなければならないのは,事前の個人保証等が困難な場合,組合による不法行為の被害者等の契約債権以外の債権者になることが多いと思われる。

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