667条の2 他の組合員の債務不履行

条文

第533条及び第536条の規定は、組合契約については、適用しない。
2 組合員は、他の組合員が組合契約に基づく債務の履行をしないことを理由として、組合契約を解除することができない。

解説

1項解説

同時履行の抗弁権と債務者の危険負担等の適用除外である。組合契約は団体的な契約のため,双務契約を想定した規定である両規定を除外した。
 他の出資義務者が出資義務を履行できるのにしないのか,履行不能ために出資義務を履行できないのか,にかかわらず自らの出資義務は履行しなければならないという規定である。
危険負担が問題となるのは債務の履行不能の場合であるが,金銭債務については履行不能にはならないと解されている。そこで,危険負担については,金銭出資以外の場合,つまり特定物による現物出資や労務出資の場合に問題となるものである。

2項解説

他の組合員による債務不履行があっても解除はできないとする規定である。解除ではなく,脱退,除名及び組合の解散請求等の団体法的な処理をすべきとする趣旨による。
他の出資者に債務不履行があっても解除はできない。ただし,金銭出資債務の不履行については遅延損害金以外の損害についても賠償請求できる(669条)。419条の例外規定である。金銭出資債務以外について不履行による損害がある場合にも,当然,損害賠償請求ができる。

2項実務指針

現実的に,解除ではなく,脱退,除名及び解散請求によって解決は可能であろうか。
まず,脱退については,存続期間の定めがない場合,ある組合員の終身存続の場合は,原則いつでも脱退できる。しかし,そうでない場合は,「やむを得ない事由」がないと脱退できない(678条)。となると,一部組合員の債務不履行が「やむを得ない事由」になるほど重大でない限りは,脱退は難しくなる。
次に除名は,①正当事由の存在②他の組合員の一致の2要件が必要である。この点,2名だけの場合は除名はありえない(基コ債権各論Ⅰp234)とされるので,2人で組合を作ったが一方が債務を履行しない場合は除名はできない(そして解除もできない)。3名以上の場合で,1名だけが債務不履行している場合は,その債務不履行の内容や態様によっては正当事由が認められ,他の組合員の一致によって除名はできる。しかし,除名対象者が2名以上の場合は通説は除名できないとする(基コ債権各論p234)ことから,2名以上の債務不履行者がいる場合も除名による解決は困難である。
また,一部組合員による債務不履行は,組合契約に規定があるか,それが解散が「やむを得ない事由」とならない限り解散事由にはならない(682条,683条)。
結局のところ,組合員に債務不履行がある場合,解除はできず,また場合脱退,除名,解散等もできないことも少なくない。民法の規定のみに頼る限りはこのようなことになるので,組合契約作成の際には,一部組合員の債務不履行の場合に一定の手続のもとに除名等ができる規定を作る必要がある。

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