560条 権利移転の対抗要件に係る売主の義務

条文

売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。

解説

改正趣旨

解釈上認められてきた対抗要件を備えさせる義務を明文化したものである。

登記費用の問題

 売り主が登記をする義務については解釈上認められていたが、登記費用の負担については、古い判例(大判大7.11.1)が558条の折半負担の対象となるとしていた。他方で、485条により売主負担とする見解もあった。
 実務的にも,売買契約に基づく所有権移転登記手続請求事件において,被告に対し当然に登記費用を請求できるとは考えられてはいなかった。
 しかし,売主の登記義務が明文化されるのであれば、弁済(登記義務履行)の費用として登記費用も485条の対象となるという解釈が自然とも言える。
 実務的には、買主負担の慣習の存在等を理由とすることが多いので、条文の改正がどの程度影響を持つかは不透明であるが、売主の登記義務の明文化が慣習に影響する可能性もある。
 改正後は、登記費用の負担についても、再考の余地がありうることからすると、契約書では負担関係について明確に規定することが一層望まれる。

民法485条
弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。
民法558条
売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。

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